Monday, March 13, 2017

Inari

お正月明けに東京へ行って以来でしょうか。
先日、ふと時間が取れましたので、京都は伏見稲荷大社さんへお参りしてきました。


お稲荷さんへ来ることができたのは、約2年ぶり。
その時はセルビアから訪れた友人二人と共に


Alecks & Luka

お稲荷さんの前に奈良の春日大社に連れて行っていたのですが、参拝の作法を教えると丁寧に参拝してくれました。
信心深いわけではないLukaが、『どうして手を合わせると、神殿から僕に向かって風が吹いてくるんだい?』と訊いてきた時は驚きました。
なぜなら、私もいつもその風を感じているから。
心を静めて(むしろ、勝手に静まって)手を合わせると、神様の鎮座するところから風が降りてくる。
これはなんなんだろう?
神殿を建てている場所の地理的なものなのか、自然現象の偶然なのか。
私は勝手に神様からのご挨拶だと受け取っていますが、異文化の友人がそれを体感していたのが嬉しかったです。



2年前よりも圧倒的に外国人の観光客が増えていて、少し参拝マナーが気になりました。
日本人も若い人たちが携帯電話で撮影をしながら千本鳥居を歩いているのが、風情が無くて困りました。
映像による記憶はもちろん、私もいいなと思うのですが、まずは感じてみるというプロセスを抜かして、写真や映像に撮って満足してしまうことは勿体ないなと思うのです。

奥の院もなんだか人が多くて騒々しく感じましたが、家族にそれぞれお守りを買って、おみくじも引きました。
『世の為人の為に尽くせ』とのお告げでした。
今の仕事が本当にそうですし、そうなったらいいなと思って仕事をさせて頂いているので、なんだか嬉しかったです。


奥の院から、また鳥居をくぐっていくとふと右手に折れる斜面があります。
登っていくと龍神様の祭られている小さな神社があります。
私は家族に辰年がいるので、龍神様と聞くとお参りにも熱が入ります。
奥の院のまわりの喧騒から抜けて、ふと落ち着く空間でした。

お願い事を書いて、人型に折った千代紙がたくさん吊るしてあって、そこだけ花が咲いたように明るくて印象的でした。


友人のAlecksは、イギリスでの学生時代から日本食のレストランに通い詰めて、自分でもyoutubeなどの動画からレシピを学んでカツ丼やお好み焼きなどを作るほどの日本食好き。
出汁の取り方を知りたいと訊いてきたリ、『うまみ』という味を理解している。
彼女は表参道の定食屋さんで嬉しそうにうどんを食べていました。


いなり寿司はあまり味が想像できなかったようで、私が食べているのをつまんでみてから、おいしいと驚いていました。
私はいなり寿司がすきなので、今回も3人で行ったお店のいなり寿司を頂きました。

いなり寿司と、鳥ソバ。
参拝が終わったので葱も安心して頂きました。

3月上旬のお山はまだ寒くて、凍えた身体にお蕎麦の出汁のあったかさが沁みました。
相変わらず、いなり寿司は美味しかったです。黒胡麻入りの、かわいいいなり。

移動の多い仕事なので、なかなかまとまった時間がないとこうして神社に来ることもできないのですが、少しずつでも時間の調整をして、自分のメンテナンスを行うことが結局はお客様たちに良い影響をあたえられることにつながるのだと思っています。


今回やっとお稲荷さんで、神棚用の神具をささやかながら揃えることができました。
これまではお水はインドで買ってきたカレーを入れる小さなステンレスのボウルに入れていたし、お塩とお米もインドで買ってきたおかずを盛る小さなステンレスのお皿に入れていました。
インド、というところに何のこだわりもなく、ただその食器が一番いいサイズだったからなのですが。
今回やっと陶製の、宝珠の形をした白い水玉と一つとかわらけを二枚、そして前から欲しかったお神酒を入れる壺も小さいのを二つ揃えました。

私の神棚は簡易のもので、ただお札を立てかけているだけです。
お社も雲板もしめ縄もありませんが、とにかく祀るということで自分の心にけじめが生まれることが良いなと思っています。
たくさんの人と関わる仕事なので、知らず知らずの内にもらってしまう穢れを祓うという行為は必ず必要です。
少しでもいい状態で、お仕事をできるようにと願って始めたことですが、手を合わせると呼吸が落ち着いて晴れやかな気持ちになります。
『よし、今日も大丈夫。お客様と良い時間を持てるはずだ』って思えるんです。

私の魂が少しでも誰かの役に立つのなら、燃やしていきたいと思っています。
深く呼吸をすることで、気枯れなく、たおやかに、これからも進んでいけますように。
そんな風に思っています。

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