Saturday, April 27, 2013

from pink to crimson


 
桜の頃は、桜色。


 
 

In the cherry blossom season, I had pink.
 
 
 
 
 
苺の季節は、苺色。

 
 
 
In the strawberry season, I have red.
 
 


Wednesday, April 24, 2013

London


春陽気のトゥールーズから、雪のロンドンへ…。


さて、何とか新しいフライトを抑えられた私は、兄との別れを惜しみながら搭乗ゲートを通過。
とりあえず遅れているフライトが到着するのを待ちました。
幸いに、書き留めたいことはたくさんあったので、うんざりした顔で待つ乗客たちの集まる一角でソファーを見つけ、ひたすらにノートを書きました。
それほど待たずに飛行機が到着。早速搭乗の列に参加します。
目の前に並んでいる紳士が、白髪の美しい女性に話しかけています。イギリスのアクセントが耳に飛び込んできます。懐かしく思っていると、どうやら彼らは今ここで会ったばかりのよう。待ち時間が長すぎて退屈なので、男性の方が話しかけた様子。しかもちょっとおもしろい。
思わず笑ってしまい、いつの間にか3人で話し始めました。
搭乗の列を作ってからもかなり待ったので、楽しい待ち時間となりました。
話はゴルフに始まり、80年代のロック、ボウイの展覧会、ブライトン、ピラティス…。
ヨーロッパに来て面白いなと思ったのは、フランス(トゥールーズ)でピラティスのことを話題にすると、『何それ?』となり、説明して『あぁ、聞いたことある。』となるのですが、イギリスではピラティスというとそのまま会話が弾んでいく。やはり、お国柄でしょうか。日本でのピラティスの認識はまだまだ低いようです。エクササイズとして認識されないことや、そうであっても『ヨガみたいなやつ?』って聞かれることがほとんどです。がっかり…。
話題を戻し、やっとこ乗り込んだロンドン・ギャトウィック行きの小さな飛行機。
機内誌にボウイの写真を撮った鋤田さんのインタビューと共に有名なアルバム『Heroes』の写真があったので、頂いてきました。

ブラン・マフィンとカモミール・ティー
Bran Muffin and Camomile Tea

友人から、『ギャトウィックに迎えに行く』とのメッセージを受け取ったのを見れなかった私は、空港に着くや早足で入国審査へ向かいます。
広い入国審査のフロアは、人でごった返していました。時間が掛かりそうと、一瞬不安になったものの、ごった返しているのはEUパスポートのゲートのみ。Non-EUの方はがらがらに空いていました。
ちょっと前まではNon-EUの方が混むことが多かったのに、とにかくラッキーと、審査へ向かいました。しかし、以前イギリスに住んでいた頃のビザを見た審査官2人に、色々と事細かに質問をされました。基本的な質問だったのですが、私の受け答えはとぼけていて、
『この国の前はどこから来たの?』
『えっと、トゥールーズ、フランスです。…え?経由空港?アムスです。すみません…。』
(トゥールーズへの入国審査は経由したアムステルダムで終わっているので、パスポートのハンコはアムステルダムになっているのを忘れていた私…。)
『どこに泊まるの?』
『友人の家です。』
『入国カードに書いてないけど?』
『ええ、そうなんです。アドレス帳をスーツケースの方に入れてしまっていて…』
『他に書ける住所はないの?』
『えっと、ちょっと思いつかないんですけど、友人の電話番号じゃ駄目ですか?』
『・・・いいでしょう。その人のフルネームと番号をここに書いて。』
『すいません・・・。』
『いくら持って来たの?』
『え?そんなの覚えてない。え~と確か70ユーロと60ポンドくらい。あとはクレジットカード。』
『・・・』
なんとかその場を切り抜けて、無事に入国。荷物を回収しに行きました。
しばらく待ってから出てきたスーツケースを引っ張って、いざヴィクトリア駅に向かわなくては、とゲートを出た瞬間、『ダーリン!』と呼ぶ懐かしい声。
振り向いた先に、見慣れた顔がありました。
嬉しすぎて涙が出ました。
『事前にあなたの髪がピンクって写真で見ていなかったら、見逃すところだったわ。会えて良かった!』とアリス。
本当に、私も会えて嬉しかったです。
フライトが遅れて、夜中近くになっていたのに、わざわざ迎えに来てくれた彼女の優しさ。
懐かしいイギリスのアクセント。全てが私をホッとさせてくれました。

夜の街をひたすら走りながら、色々と情報を埋め合い、彼女の家に着いたのは真夜中過ぎでした。
考えてみれば、お昼を食べてから何も口にしていなかった私に、雑穀のトーストを焼いて、ピーナツ・バターをたっぷり塗ったものを2枚、それからお茶を入れてくれました。
なつかしい、イギリスのお茶。トーストの載ったお皿。居間のソファでやっとひと心地つきました。
その夜はすぐにベッドにもぐりこみ、翌朝は別の友人とも合わせて3人で会う予定でした。

アリスの部屋にて
Alice's room

アリスの部屋は、カラフルなスケルトンの紙飾りや、マーメイドや水兵さんのポスター、彼女が刺繍したクッション、彼女が描いた絵や、私からの葉書などが飾られていて、まるで物語の中にいるようです。夢のようなベッドで目覚めてみると、ロンドンは冬が戻って来ていて、とにかく寒かったです。
窓の外は、雪。吐く息も白い。
冬の用意なんて何も持ってきていなかった私は、とにかく何枚も着込んでレザーを羽織りました。

シャワーを浴びてから支度を始めたら、アリスが『お茶を飲む?』と訊いてくれました。
この辺は、やっぱりイギリス人だなと思いました。フランスにいたから余計にそう思います。
兄のアパートで私がやたらとお茶を飲んでいるのをナディームが見て、『お茶好きなんだね。』と言ったのを思い出しました。

雪のちらつく中、2人で駅に向かいます。
まず向かったのはトッテナム・コート・ロード。
友人のカットと待ち合わせて朝ごはんを食べる予定でした。
週末なのに、なぜか町には人がほとんどいません。寒さのせいでしょうか。アリスと2人、なんなのこれは?と不可思議に思いながらも目指すお店に着いてみれば、なんと雪の中長蛇の列。
ウソでしょ~!?と笑いが込み上げてきました。町の人全てがこの店の朝ごはんに並んでいるかのように、そこだけ人だかり。あとは閑散とした路地に雪が降るばかりです。
カットに電話して、プランを変えることに。お店を離れてハイストリートの方まで歩き、彼女を待ちました。
すぐに見慣れた顔がやってきて、3人で再会を喜び、近くのカフェに入りました。
寒かったので私はあたたかいポリッジとコーヒーを注文しました。
ポリッジはたっぷりで、蜂蜜とラズベリーのジャムが付いてきました。
久しぶりに会ったので、3人ともとにかく笑顔。
カットはわざわざ仕事で滞在中のカーディフから週末だけロンドンに来てくれました。
私がフライトを逃さなければ、前日にディナーを一緒に食べる予定だったので、悔やまれますが、そのおかげで兄とゆっくり話せたので、何が良かったのかは分かりません。

カットとアリス
Kat and Alice

アリスもカットも、私が何をしたいのかをしきりに訊いてくれました。
とにかく私は2人に会えたことが嬉しかったので、あまり移動に時間を掛けたくないからどこか近くにしようと提案。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーでマン・レイの展覧会をやっているからと、そこに行くことになりました。
展覧会は思ったほど大きくなく、しかし時系列にマン・レイの作品が展示されており、見やすく作品数も多かったように思います。
写真をゆっくり見て回りながら、自分で現像をすることの面白さを再発見しました。
アナログでの写真の撮り方、現像のしかたを、きちんと父に教えてもらいたいなぁと思いました。
ミュージアム・ショップで、ポストカードを数枚、お土産に買いました。
その後常設の展示を少し見て回りましたが、すぐに移動することに。

4人目の友人との待ち合わせに便利なように、そしてカットが家に帰りやすいように、モーニントン・クレッセントに移動することにしました。
カムデン・タウンの隣の駅ですが、カフェやレストランが多いエリアです。
そこで遅めのランチになりました。
ブルース・キッチンというパブ・ダイナーに入ることに。満席でしたが、バーで飲んで待つことにしました。ポップコーン・マシンがあって、楽しく眺めていると、カウンターから『少しどう?』とのお勧め。これからお昼を食べるから断ると、『タダだから、少し食べなよ。』と、グラスにはじけたてのアツアツのポップ・コーンを盛ってくれました。香ばしくて美味しかったです。
ポップ・コーンを齧っていると、すぐに席に案内されました。
窓際の、広い革張りのソファーのテーブル。アメリカのダイナーのような作りですが、お店全体がどっしりとした木で作られているので、とても居心地がよいのです。
ふと隣のテーブルを見ると、アメリカン・サイズなパンケーキが並んでいました。
お料理のボリュームもがっつり。
菜食主義者のアリスはベジタリアン・ブレックファストのプレート、カットはパンケーキのハイ・スタック(高く積み上げたもの)をブルーベリー・ジャムとメープル・シロップで。私は久しぶりにビーン・バーガーを注文しました。日本ではベジー用のビーン・バーガーを見かけたことが無いので、これもチョコレートと同様にヨーロッパでの楽しみの一つです。

ベジタリアン・ブレックファスト
Vegie Breakfast

しばらくするとお料理が運ばれて来ました。
ベジタリアン・ブレックファストは、コーン・ミールを野菜と混ぜて焼いたようなカリカリのパン・ケーキとサラダでした。一口もらいましたが、とっても美味しかったです。
カットのパンケーキは、やはりとても大きく、一枚が赤ちゃんの顔のサイズくらいはありました。メープル・シロップがなかなか出てこなくて、何度もお店の人に頼みましたがキッチン側のミスだったようで、彼女が半分以上食べ終えてからやっとシロップが運ばれて来ました。
バーガーはやはり大きく、細切りにした野菜のコールスローと太めのチップス(フライド・ポテト)も添えられていました。久しぶりのビーン・バーガーはやはり美味しかったです。

パンケーキ!
Pancakes!

食事を終えるとカットがもう帰らなくてはいけない時間になっていました。
あまりたくさん会えなかったので残念でしたが、わざわざロンドンまで来てくれたことがとても嬉しかったです。またすぐに会えることを願って、彼女を入口まで見送りました。

そのあとアリスと少しゆっくりしてからカムデン・マーケットへ。
マーケットはいつ来ても派手で、ごちゃごちゃしていて、変わらない様子でした。
私は柄もののタイツを買いたかったので、何軒か見て回って、2足買いました。
とにかく寒い日で、二人で凍えながら、モロッコのカフェに入り、ミント・ティーを飲みました。
友人のアレックスとは夜にパブで待ち合わせの予定でしたから、少し時間がありましたが、寒かったので早めにパブに移動することにしました。

おもてに黒いハートの看板が出ているだけのパブ、ブラック・ハートはカムデンの駅から少し離れた裏道にあります。
パブに入るなり、ビールの匂いと煙草の匂い。ああ、懐かしいなぁ、とその素敵とも言い難い酒飲みたちの溜まり場の匂いに、一気に包まれました。
バーでサイダーを注文して、お店の隅のテーブルに陣取ります。
店内は暗く、もう夜みたいでした。
2杯目か3杯目のサイダーがテーブルに載る頃に、アレックスがやって来ました。
セルビア人の彼女はロンドンを離れましたが、偶然私と時期を同じくして撮影の仕事でロンドンを訪れていました。
すぐに乾杯になり、たくさん話しました。
いつ会っても、すぐに昨日別れたかのように話せる友人たちがいることを、私はとても嬉しく思うし、誇りに思います。

衣裳部屋の壁に私のカードを飾ってくれています。
They made a wall of my cards at the wardrobe.

翌日は、アリスが仕事だったので、私はかつての職場を訪れる予定にしていました。
アリスは、その日が仕事の初日で、プライベートでも色々と忙しく、私を泊めるなんて余裕はないはずなのに、こうして私のことを気に掛けて、泊めてくれていました。
彼女の優しさには涙が出ます。

ロンドンでフリーランスの衣裳デザインナー、衣裳メイカーとして働いていたころ、たくさんお世話になったのが、アーツ・エデュケイショナル・スクール・オブ・ロンドン。通称アーツ・エドです。
アール・エドはミュージカル『キャッツ』のクリエイターとして有名な、アンドリュー・ロイド・ウェバーが創設した演劇学校です。私はそこの衣裳部で学生時代にワーク・エクスペリエンスをやらせてもらい、そのご縁で卒業後にアシスタントとして最初の仕事をもらいました。
その後は、フリーランスながらすっかりそこのスタッフのように通い詰めるようになりました。勿論、その間アーツ・エド以外の仕事もたくさんしました。特にアーツ・エドは学校なので、休暇になると仕事が無いので、舞台以外にも映画やMVの撮影など、色々な分野の衣裳やスタイリングをやりました。しかしそういった経験も、アーツ・エドの衣裳部のボスであるオーサと、アシスタントのマリアンがいなければ、そもそも成り立たなかったのではないかと言えるほどに、彼らの後押しが私の自信の基盤になり、原動力となりました。

オーサの誕生日が近かったので、まずはノッティング・ヒルへ行ってケーキを買うことにしました。
ハミング・バード・カップケーキと言えば、ロンドン以外でも有名なのではないでしょうか。マリアンが良く何かお祝い事があるとここのケーキを買ってきてくれていたので、ハミング・バードのケーキを買うことに。胡桃が入ったキャロット・ケーキと、曜日を限定して作る真っ赤なレッド・ベルベット・ケーキが私のお気に入りです。
少し時間が早かったので、近くのパン屋さんでブラン・マフィンとカモミール・ティーを飲みました。
小麦にこだわったパン屋さんで、マフィンはとても味わい深かったです。

歩きなれた道を下り、もう覚えてしまっているE3のバスにのり、ターナム・グリーンの駅まで乗りました。
アーツ・エドは改装中で、建物全体が足場とシートに覆われていました。
受付を慣れた感じで通り過ぎ、最初のドアを左に入ると、懐かしい衣裳部のドアが見えました。
ドアには硝子の窓が付いていました。前はなかったのですが、そのおかげでノックの主をマリアンがいち早く見つけ、オーサの歓声とともにドアががばりと開いて、オーサのハグで私は宙に持ち上げられました。このちいさなスウェーデン人女性の、どこにそんな力があるのやら、と思いますが、再会が嬉しくて、私もカップ・ケーキの袋をかろうじて平行に保ちながらオーサを抱きしめました。
アーツ・エドに通う子供たちのダンス・ショー公演が終わったばかりだと言う衣裳部屋は、たくさんの洗いもので溢れていました。フリーのアシスタントの女性が一人、テキパキと立ち働いていました。
すぐにお茶を入れてケーキを食べながら、懐かしい顔ぶれがそろいました。
オーサの誕生日プレゼントはムーミン谷のメンバーがカラフルなステンシルで描かれたスープ・マグ。オーサはミィにそっくりで、以前ミィのマグをプレゼントしたこともあります。
衣裳部屋の他には学長のジェーンや映画部のジョイ、プロダクション部のジョージとダイ、大道具のポールなど、懐かしい人たちにあいさつができ、変わらずに笑顔で迎えてくれる人たちに心から感謝をしました。
夜はイタリア料理のお店で2人がごちそうしてくれました。
私は枝豆とアスパラガスのリゾットを頼みましたが、絶品でした。
そのあとは、スパニッシュ・バーへ移動。いつになく混んでいてい、テーブルには付けませんでしたが、バーの隅の方で立ってのみました。
アレックスが撮影後に立ち寄ってくれて、また嬉しく飲むことができました。

美人のマリアンと、私
Beatuful Marianne and Me

翌日はロンドンで最後の一日となりました。
以前シェイクスピアの『間違いの喜劇』の舞台で仕事をした、監督のジェイミーと待ち合わせてランチの予定でした。
アーツ・エドでもクラスを持つジェイミーと、ターナム・グリーンで待ち合わせましたが、まずは衣裳部へ向かいました。
行ってみてびっくりしたのは、廊下も壁も水浸しなのです。改装中に排水管を折ってしまったようで、バケツやら布やらがあちこちに置かれていました。
マリアンは一人で衣裳部屋で仕事をしていました。オーサは熱を出して休んでいるとのこと。イースターが近くなって仕事がひと段落すると、いつもの疲れが出て熱を出してしまうようで、気の毒なことでしたが、会えなくて残念でした。
ジェイミーとの再会は嬉しく、ランチに入ったブラッサリーで、私はまたもやリゾットを食べながら(きっとお米が恋しかったんでしょうね。)、イギリスを去ってからのことを色々と話しました。ジェイミーは面白い人で、彼と話すと笑ってばかりいます。
私がジェイミーと会いたかったのは、もちろん単純に会いたかったからということもあるのですが、実は私がヨーロッパに来る直前に、『間違いの喜劇』のキャストだった俳優が不慮の事故で他界してしまったこともありました。2人で彼のことを話しました。
若く才能溢れる、天使のような人でした。いつでも目の覚めるようなズボンを履いて、到底ダサいジャケットをこれ以上ないくらいにかっこよく着こなした彼。
トミー、あなたのことは皆忘れないし、語り継ぐ。笑顔をありがとう。

***
夕刻、マリアンとお寿司を食べに行きました。
彼女が帰り道に乗換をするヴィクトリア駅にある回転SUSHI屋さんは、ロンドンのデパート、セルフリッジズに入っている店舗に行ったり、オックスフォード・サーカスの店舗に行ったりした思い出の場所です。日本食が好きなマリアンには、いつか本物のお寿司を御馳走したいなと思っていますが、なかなか叶いません。
寒かったので、マリアンは熱かん。私はお代わり自由のみそ汁を何度も頼みながら、お寿司を食べました。
夜はアリスとそのまま待ち合わせていたので、マリアンを見送ってから少し本屋さんなど見てまあわりました。

翌朝は早朝にタクシーで迎えに来てもらったので、アリスはベッドで眠ったままでしたが、ちゃんと起きて見送ってくれました。
忙しい週だったのに泊めてくれたこと、あたたかく迎えてくれたこと、本当にありがたかったです。
ロンドンのみんなにまたしばらく会えないのだと思うと寂しいのですが、また会えるよって、思うと元気がでました。
とは言うものの、やはりおセンチな気分になってしまって泣きそうだったので、ちょうどタクシーの中のラジオから大好きな曲が流れてきたのを、運転手さんにボリュームを上げてもらって、少し小声で歌いながら、朝焼けのロンドンを最後に眺めていました。


偶然ロンドンに来ていたのに会えなかった、ヤニー。次はコペンハーゲンで会おうね。
シャーディー、また会える日を楽しみにしてるよ。
アリス、ベッドでお茶を飲みながら『アドベンチャー・タイム』見たあの時間はとっても楽しかった。また是非一緒に見ようね。
みんな、本当にありがとう。また会う日までどうか元気で。


アムステルダム空港にて
At Amsterdam

From nice and warm Spring Toulouse to snowy London...

So, somehow after I got hold on my new flight and I passed the boarding gate though I was reluctant to leave my brother and Toulouse.
Luckily, I had too many things to write down on my notebook, so as soon as I found a sofa at the corner of the room where is filled with tired faces passengers, I started writing.
It wasn’t so long before the air plane arrived to pick us up. I joined the queue to be on board.
A gentleman who was queuing in front of me was talking to a beautiful white hair lady. British accent streamed in my ears. As I was feeling sweet about it, I found out that they were not acquaintances at all. They just met there. The gentleman couldn’t get more bored of waiting and started to chat with the lady queuing next to him. And their conversation was a bit funny.
I couldn’t help stating to laugh and naturally I joined them.

We waited more even after we made a queue, so it was very amusing.
Our chat started from glof, 80’s rock, Bowie exhibition, Brighton, and Pilates etc...
Since I came to Europe, I found it interesting that when I talk about Pilates in France (Toulouse), most of the people said “What’s that?”, and after my explanation they say “Oh, yeah, I heard about that.” But in UK, they know Pilates and we just carry on our conversation. I guess it’s just different cultural background. Then in Japan, Pilates isn’t still known well yet. Most of the time people don’t think it as an exercise or even they do think it is, they say “It’s kinda like Yoga, right?” and disappoint me.
To return to our main topic...I was on a small air plane to London Gatwick Airport.
There was an interview article of Mr.Sukita who took a famous Bowie photo for album Heroes
on an in-flight magazine so I slipped it in my bag.  

 
Since I couldn’t see the message from my friend about she will come and pick me up at the Gatwick instead of meeting at Victoria station, I harried to passport control as soon as I got to London.
A gigantic floor was packed with people and I thought that it will take ages to get through and worried for a while, but it was only EU passport gates which were having a state of chaos. Non-EU passport gates had hardly anyone. It used to be other wasy round, but I felt lucky anyways and walked to one of the gates. However I used to live in UK, so as soon as the two inspectors (or whatever they are called) saw my previous residence visa and etc, they started to ask me a lot of questions. They were only some basic questions, but my answers were stupid...
“Where did you come from?”
“Well, Toulouse. France. ...oh, a transfer airport? Amsterdam, sorry sir.”
(I completely forgot that the passport control was done at Amsterdam instead of Toulouse, so there were Amsterdam stamps on my passport.)
“Where are you going to stay?”
“My friend’s place.”
“You haven’t written down your friend’s address.”
“Yes, I know. I packed my address book in my suitcase. so...”
“Do you have any other address you can write down for now?”
“Well...I don’t think I do, but would her phone number be alright?”
“... all right then. Write your friend’s full name and phone number here.”
“I’m sorry....”
“How much do you have?”
“What? I...don’t remember. I think I brought about 70 Euros and 60 pounds in cash and I have a credit card.”
“...”

Somehow I found my way out and got a stamp. Hurried to a baggage claim.
Waited for a while and I found my suitcase fine, and I rushed out the arriving gate thinking about Victoria station. Then the next second I heard a familiar voice calling me “DARLING!!”
I looked back and found my dear friend Alice’s face.
I was too happy to cry a bit.
“I couldn’t have recognised you if I hadn’t seen your pink hair photo!” she said.
I was so happy to see her.
It was nearly midnight since my flight was delayed, but it was hugely kind of Alice to come to pick me up.

Sweet British accent. Everything made me feel at home.
 
We drove through night town, we caught up a lot and it was passed midnight when we arrived at her place.
I realised that I hadn’t had any thing since lunch. Alice made two pieces of toast of whole grain bread with chunky peanut butter and a mug of tea.
Good old English tea. A plate of peanut better toasts. I finally had some rest on a couch in a living room.
That night, we went to bed straight away. The next morning we were going to meet up with other friend of ours.
 


ビーン・バーガー
My bean burger
Alice’s room is decorated with colourful paper skeleton decorations, posters of sailors and mermaids, cushions she did embroideries on, her drawings, and some of my postcards. I felt like I was in a story to be told. I woke up on her magic bed and found that winter was back in London and I was cold.

Outside of the window was snowing. My breath was white in the air.
 
While I was getting ready after I took a shower, Alice asked me if I wanted some tea.
That made me think that she was British. Especially after I stayed in France.
I remembered that Nadim said I loved tea whenever he found me making some tea in his apartment.
 
We walked to a station in snow.
We headed to Tottenham Court Road.
We were planning breakfast with our friend Kat there.
I wonder of it was because of the snow, but there were only few people in the street thought it was a weekend. Alice and I were puzzling about the situation, but when we got to the place we were going to have our breakfast, there was a long queue outside. That’s absolutely impossible! We couldn’t help burst out laughing. It was like a whole people in town were queuing to the shop. Anywhere else was just snow in lonly pavements. Quietly.
We called Kat and told her we must change our plan. We walked to a high street and waited her.
Soon we saw lovely face and happily reunited, then we went in a nearby café.
It was cold so I ordered some hot porridge and coffee.
Porridge was plenty and it came with honey and raspberry jam.
It was a long time ago since we saw last, so we couldn’t wipe smiles off our faces.
Kat was having a shooting in Cardiff, but she came to meet us for a weekend.
If I hadn’t had missed my flight, we could had dinner together a night before, but I could have a good long talk with my brother because of my mistake, so I don’t know what was the best thing anymore.
 
Both Alice and Kat asked me what I wanted to do, but I was just happy to see them so I didn’t want to spend time on travelling. So somewhere near, I suggested.
There was a May Ray exhibition at the National Portrait Gallery and that was it.
The exhibition was not as big as I thought it would be, but it was showing his works in a historical order and it was easy to see. And I thought there were a lot of pieces.
I re-discovered how interesting to self-develop photos and though about asking my dad to teach me properly.
I bought some post cards at the museum shop.
We looked around some collections, but soon we made a move.
 
食べる気まんまん
I was ready to attack!

We headed to Mornington Crescent to make it easy for us to meet up with our other friend Alecks and for Kat to go home.
It was a station next to Camden Town, and there are many cafés and restaurants around this area.
We had late lunch there.
We went in to a pub/diner Blues Kitchen. The place was packed, but we waited at the bar. There was a popcorn machine and as I was happily watching it making popcorns, I was offered some from behind a counter. I said no as I was about to eat lunch, but a bartender filled a glass with freshly made popcorns saying had it, it’s free anyways. It was very crisp and tasty.
Not long after we were nibbling some popcorn, we were taken to our seat.
We were sitting on a wide leather sofa by the window. The place as like an American diner and the whole place was made with chunky wood and I felt comfortable there.
I took a casual glance on a table next to us, there were some American size pancakes. Food looked substantial too.
Alice, as she was a vegetarian, ordered a plate of Vegetarian Breakfast, Kat was having “high stuck” pancakes with blueberry jam and maple syrups. I ordered a bean burger as I had never seen vegetarian bean burger in Japan. This is one of my treats when I came to Europe which was same as chocolate drink.
 
Soon our food was served.
Vegetarian Breakfast was crispy pancake-ish thing looked like a mixture of corn meal and vegetables and some salad on the side. I had a piece and it was delicious.
Kat’s pancake was as huge as we expected. Each cake had a size of a baby’s face. We had one problem that by their kitchen’s mistake, Kat couldn’t have her maple syrup until she had half of her pancakes.
Bean burger was huge and it came with healthy coleslaw salad and some chunky chips. I hadn’t had any bean burger for a long time and it was very delicious.
 
モロッコ風カフェ
Morrocan place

By the time we finished our lunch, it was time for Kat to head home.
It was such as shame that we couldn’t spend more time together, but I was so happy to see her who came all the way to London from Cardiff. I saw her off at the door as I was wishing to see her very soon.
Alice and I spent some time there and we went to Camden market.
The market was as always loud and messy and nothing has changed a bit.
I wanted to buy some patterned tights so I shopped around few places and bought two pairs.
It was very cold day and we were shivering. We had some mint tea at a Moroccan café in the market.
We were going to see Alecks at a pub and we had quite a while, but we were too cold to be outside so we headed to the pub ealier.
 
Pub Black Heart is at the back street a bit away from Camden Town station and it has only a black heart shape sign was hanged outside.
As soon as I stepped in the pub, I smelled beer and smoke. I let myself dip in the unpleasant odour of the place of drinkers for a while.
We found a seat at the corner after we ordered two pints of cider.
Inside of the pub was dark and I felt it’s already late.
By the time our second or third cider was on the table, Alecks appeared.
Alecks, who is a Serbian girl was also visiting London for shooting. What a coincidence.
We made a toast and we started to talk a lot.
I’m so happy and feel proud about I have friends who I can talk with just like we met yesterday even after many years.
 
モロッコのミント・ティー
Moroccan Mint Tea

The next day, Alice had work to go and I was planning to visit my old work place.
It was a first day of a new job for Alice and she had lots of things to do in her life too. So she was way too busy to let someone stay at hers, but she did.
I almost feel like crying just to think about how sweet she was.
When I was working as a freelance costume designer and maker, Arts Educational Schools London (Arts Ed) helped me out a lot.
Arts Ed is an acting school founded by Andrew Lloyd Webber show is famous for a creator of a musical CATS. I did a work experience at its wardrobe department while I was at the art university. It was the reason that I had my first job after graduation.
After that I worked as a freelance but almost like a full-time worker. Of course I did many jobs outside of Arts Ed especially when the school went into holidays. While the school was on holiday, I did not only but stage jobs but also film, MV, and various type works as a costumier and a stylist. Those experiences had never happened to me if there weren’t Åse who is a head of wardrobe at Arts Ed and her assistant Marianne for a start. Their encouragement and great help kept me going.
 
I stopped by Notting Hill to get some cakes as it was near Åse’s birthday.
Probably Hummingbird Cupcakes is famous even outside of London. Marianne used to buy their cakes whenever we had something to celebrate. I love their carrot cake with walnuts and a crimson colour cake called red velvet which only baked one or few days a week.
It was a bit early so I had a bran muffin and some camomile tea at a bakery near around. The bakery was specialised in flowers so the muffin was tasty.
 
マリアンの描いたピザおじさん
Marianne's pizza monsier

I walked down a familiar road and hopped on E3 bus which I remember the number already.
Arts Ed was having a renovation and the whole building was covered with white sheet and scaffoldings.
I passed the reception without any fuss and went into the first left door and there was my sweet wardrobe department door.
The door had a glass peep window which was not before and Marianne found who knocked on the door right away. I was welcomed by Åse’s yelling cheer and powerful hug and I was lifted up in the air. I wonder where that power came from this tiny Swedish lady, but I was too happy too and hugger her tightly trying not to tip over the cupcake bag.
Arts Ed just had their kid’s dance show done so the wardrobe was full of washing piles. There was a freelance assistant lady with Åse and Marianne and working briskly.
Good old friends got together and had some tea and cupcakes.
For Åse’s birthday present, I gave a soup mug of colourful Moomin characters printed on. Åse looks like little My and I gave her a little My mug before.
I could say hello to many people such as Arts Ed principal Jane, Joy at the film department, George and Di at the production, and the carpenter Paul. I felt grateful for them gave me a very warm welcome.
In the evening, Åse and Marianne treated me a dinner at an Italian place.
I had a risotto with edamame and asparagus and that was out of this world.
We went to a Spanish bar after dinner. The bar was unusually packed and we couldn’T get a table so we stood at the corner of the pub next to the bar.
Alecks stopped by after her shoot and we had happy drinks again.

スパニッシュ・バー
at Spanish Bar
 
The next day was my last day in London.
I was meeting up with a director Jamie who I worked with on A Comedy or Errors by Shakespeare once.
He has his lesson at Arts Ed and I was meeting with him at Turnham Green station. I went to Arts Ed first to drop my stuffs.
I surprised at the state of the school as it was flooded in corridor and walls. Buckets and clothes were placed everywhere.
Marianne was working at the wardrobe all by herself. Åse wasn’t in due to her usual fever after a big semester. I felt sorry for her and it was shame not to be able to see her once again.
Meeting with Jamie was a great joy. We talked a lot about things since I left London at a brasserie we went in for lunch. I ordered a risotto again I guess I was missing rice. I do most of the time laughing when I talk with him.
I wanted to see him just because I wanted to do so, but also I wanted to talk about one of the actors of A Comedy or Errors who unexpectedly passed away just before I came to Europe. We talked about him.
He was a talented young thing like an angel. He always wore astonishingly great pair of trousers and he could were a very horrible jumper and made it look super cool.
Tommy, we never forget you and your story will be handed down from generation to generation. Thank you for your smile.
 
ジェイミー!
Jamie!
***
In the evening, I went to sushi place with Marianne.
The sushi branch at Victoria station where Marianne changes her train is our familiar place. We used to go to the one in Selfridges and the one in Oxford Circus. She likes Japanese food a lot and I want to treat her with real sushi some day.
It was cold so she had some hot sake and I had many free charge of miso soup.
Alice was coming to meet me at Victoria so after I said good-bye to Marianne, I looked around a book shop and waited Alice.
 
The taxi came to pick me up very early in the morning. Alice was still in bed but she saw me off when I was leaving.
I couldn’t thank her more for letting me stay at her busiest week and looked after me a lot.
I felt sad when I thought about I wouldn’t be able to see my friends in London for a while again, but then I thought about I would see them again and felt fine.
Well, but I was feeling sentimental anyways, so when I heard my favourite song on a taxi radio, I asked the driver to turn the volume up. I was seeing off morning glowing London as I was quietly singing along with the song.
 
 
Jannie, who was also accidentally in London, I couldn’t see you, but next time in Copenhagen?
Shadey, I’m looking forward to seeing you.
Alice, I enjoyed the time we watched Adventure Time on your bed with tea. Let’s do that again.
Thank you so much everyone. Take care till next time.

 
ジェイミーと飲んだマンモス・コーヒー
Mammos coffe I had with Jamie
 

Saturday, April 13, 2013

Toulouse

ヨーロッパ旅行記を書くと言ってから随分と経ちましたが…。

3月の終わりに、私はトゥールーズにいました。
私の兄はレダというトゥールーズの俳優学校で勉強中で、この3月に卒業公演がありました。
私に課せられたミッションは、家族の代表として彼の公演を観に行くことと、ピラティスのトレーナーとして彼の体を診に行くこと。兄はもう何年も腰に激痛を抱えています。兄と最後に会ったのは、200810月。フランスで小さな手術をした直後、リハビリと言ってロンドンに私に会いに来たのを覚えています。それ以来ですから5年ぶりの再会となりました。
新米のピラティス・トレーナーとしてどれくらい兄の体にしてあげられることがあるのか、不安でしたが、私の師である一瀬先生が後押しをして下さいまいした。私は飛行機に乗っている時間と、乗り継ぎ便の待ち時間を全て、考えを書いたり、トレーニング・メニューを考えたり、パーソナル・トレーニングの講座と解剖学の復習に費やしました。

 
ついにトゥールーズに到着したのは真夜中近く。あたりは真っ暗。
兄と、ハウスメイトのナディームが空港まで迎えに来てくれていました。
彼らが私の為に掲げてくれていたのは、私にだけ分かる特別なサイン。それは私が2008年にヒースローで兄を出迎えた時と同じサインでした。
彼らのアパートで、赤ワインを一杯とチーズとチョコレートを少しずつ。
2人は「図書室」を私のベッドルームにしてくれました。
真夜中を過ぎていましたが、兄と最初のピラティス・セッションを行いました。
その後、私はベッドに直行。実に24時間近くの長旅でした。


すっかり春のトゥールーズ
Spring has come in Toulouse

 
翌朝は月曜日でした。忙しい1週間が終わってみれば、空っぽの冷蔵庫があるばかり。そこでみんなで朝ごはんと買い物へ出かけることになりました。
地元のパン屋さんでの朝食。ヨーロッパのパン、フランスは特に、日本のものよりも格段においしいです。KLMの機内食の出された全粒粉のパンとチーズでさえとってもおいしかったのですから。私はコーヒーとパン・オ・ショコラ(チョコレート入りのクロワッサン)、バゲットと杏ジャムを大いに楽しみました。
外国を旅すると不思議なことは、安いプラスチック製のナイフやフォークまで素敵に見えてくるということ。いや、これって日本人的感覚なのでしょうか?
食料の買い物はいつもワクワク。私は外国のスーパーマーケットが大好き。見慣れない商品のラベルや、珍しい食べ物、商品の提供の仕方や陳列の仕方の違いなど、見ているだけで楽しくてずっと居ても飽きません。
私はシリアルと、ナッツとドライフルーツ、フィグ・ロール(無花果の甘いペーストをくるりと巻いたクッキー)を買いました。フィグ・ロールは私の大好物で、日本では買えません。私が一番好きなのは、アメリカで売っている「フィグ・ニュートン」です。他には歯磨き粉とハンドクリーム(「小さなマルセル人」という名のお気に入りブランドのもの)も買い求めました。

午後に俳優学校レダを兄と共に訪れました。レダは小さな学校です。学校の広間でレッスンの合間にくつろいでいた、兄の友人たちや先生たちに会いました。みんな気さくで、私がフランス語を全く話せないことが残念でした。
英語を少し話せる人も何人かいて、お互いにゆっくりと会話をしました。



卒業公演『骨の家』
Le Maidon d'OS

夜になってナディームと一緒に卒業公演を観に行きました。兄の舞台を生で観るのは初めてのことでした。1年生の頃の舞台を録画で観たことはありましたが。
私は私自身、演技に関して全くの初心者だとは思っていません。ロンドンの演劇学校で衣裳デザイナー兼メイカーとして働いていた頃、俳優が役として説得力のある演技をしているかどうかわかるには充分なほどのリハーサルやショーを観てきました。大抵において、舞台に上がっていない時の俳優の状態を観れば、その人が良い役者かそれほどではないのかが、なんとなくですが、わかります。兄は私に彼を批評をして、建設的なアドバイスをすることを望んでいました。
それなので、私はひいき目なしに兄の演技を鑑賞しました。勿論、言われなくてもそうするつもりではいました。
兄を、一人の俳優として観ることに徹しました。
正直な感想を言えば、彼は冷静に間(ま)と観客の期待を読んでいました。共演者たちと一緒にその夜の舞台でできるベストを尽くしていました。
私はフランス語が一切解りませんが、登場人物たちや、彼らの関係性や力のバランス、物語の展開は観て取ることができました。おそらく台詞が意味をもつ文章としてではなく、記号として聞こえてきたから、より多くのことが見えてきたのでしょう。私は俳優たちの気の流れ、ケミストリー、間合い、そして観客の反応を楽しみました。
兄と共に、その日の何が成功して、何が次の公演の課題かを話し合うのは面白かったです。
 
素晴らしかったのは、公演で出会った多くの人達が、津波の被害や福島の原発のことを訊いてくれたことです。
日本の外にいる人たちが、私たち日本のことをずっと気にして考えてくれていたということに、感激しました。日本の人達にかわって、ここでお礼を述べさせていただきます。ありがとう。

 
兄と私は時間があればあるだけピラティスのセッションに費やしました。
時には一時間たっぷりのセッション、時には15分間、というように。
私は主に兄の中殿筋、腸腰筋、腹斜筋など、骨盤を安定させながら脚を稼働させる筋肉を鍛えることに集中しました。呼吸のエクササイズも行いました。これは随分と役に経ったようで、セッションが終わる毎に、兄は快適になってくれたようです。気持ちよくなったと兄から聞くたびに、嬉しくなりました。
中でも素晴らしかったのは、3回目の公演が終わったころに共演者たちが皆口をそろえて疲れを訴えていたのに対し、兄は全く疲れていなかったということです。

最後の公演は、録画してはどうかと兄に提案したところ、私は急きょカメラマンになることとなりました。
とっても楽しかったのですが、残念ながら公演の途中でカメラのバッテリーが切れて、私は自分のカメラで撮影を続けました。しかし、初めてカメラモードを使ったせいか、音声と映像がずれていました。近いうちに直せたら良いのですが。



豪華なカフェ
grand café

兄と私は最後の公演前の午後はゆっくりと過ごそうと決めました。兄は私をあるカフェに連れていくと言っていました。バス停で共演者のカミーユと出会いました。兄が市庁舎の近くのカフェに行くと言うと、彼女も行きたいと言うので3人で行くことにしました。私は彼女も参加してくれて嬉しかったです。
兄も私もお昼抜きでお腹ぺこぺこだったので、カフェに向かう途中で熱々のパ二―二を買いました。カミーユも菓子パンを買って、市庁舎の裏の公演まで歩いて行ってベンチに腰掛けました。路上でジャズ・バンドが陽気に演奏をしていて、周りには人だかりが出来ていました。よく晴れた日で、寒すぎず、暑すぎず、とっても気持ちが良かったです。幸せな時間でした。
カフェは豪華で、バッカスの彫り物が壁に並び、天井画やシャンデリアが輝いていました。私はショコラ・ショー(あったかいチョコレート・ドリンク)を注文しました。ヨーロッパに来た時のお楽しみの一つです。日本ではヨーロッパの様にどろっとしたチョコレート・ドリンクは飲めませんから。2年前にプラハで岩塩の載った濃いダークチョコを飲みました。すくって飲めるようにスプーンがついていました。
ショコラ・ショーはおいしいスプーン型のクッキーと一緒に出てきました。とてもおいしくて、私は兄に思いっきり楽しんでいる様子を写真におさめてもらうように頼みました。



回転木馬がありました
A carousel!!

最終公演は安定していて、みんなベストを尽くしました。私は撮影に集中していたのであまり雰囲気を楽しむ余裕はありませんでしたが。観客は随分とクールでしたが、俳優たちはみんな落ち着いていたと思います。
公演の後、ささやかな打上げパーティーがありました。
共演者の一人のお家で明け方まで過ごしました。
その日は私がトゥールーズを去る日でもありました。飛行機に乗るまでの時間は兄と料理をし、野菜とトマトのソースのスパゲッティーとサラダを作りました。
ナディームがお昼を食べにアパートに戻って来てくれたので、3人でお昼を一緒に食べました。
ナディームが再び仕事に出かけた後、空港に向かう前に兄と最後のピラティス・セッション。


最後のランチ
Our last lunch

バス停で空港直通便を待っている間に、ふと私はもうちょっと前にチェック・インしなくてはいけなかったのではないかという不安に襲われました。
とても不思議なのですが、兄も私も何度も飛行機に乗っているというのに、今回に限っては、オンラインでチェック・インはしたものの、スーツケースをオン・ボードの40分前に預けなくてはいけないという事をすっかり忘れていたのです。
私たちは空港に着くなりダッシュでカウンターに行って、スーツケースを預けられるか訊きましたが、カウンターのムッシューの答えは『Non!(駄目!)』
スーツケース無しでは行けないので、このフライトは見送って別のフライトを取ることにしました。心配だったのは、その日が終わるまでにロンドンに着けるかどうかということ。
幸運にも、雪の為に遅れているフライトがあるというので、それを押さえることにしました。
私はいくつか不安を抱えていました。まずは新しく買ったフライトがヒースローではなくギャトウィックに着くということ。その為ヒースローに迎えに来てくれる予定の友人に連絡しなくてはいけない。私の携帯は壊れていて、電話での連絡は不可能。インターネットでしか仕方がありません。もしフェイスブックに送ったメッセージを彼女が出かける前に見てくれなかったら、会えません。
そこでとりあえずチケットを買った後に、メッセージを送ってみました。どうか読んでいてくれますようにと願いながら。奇跡的にも、彼女はオン・ラインで、すぐに返事をくれました。彼女はロンドンに着いたら、ヴィクトリア駅に来るように私に言いました。実は彼女はその後もっと良い方法を思いついて、ギャトウィックに迎えに行くからとメッセージをくれていたのですが、私はそれを見ませんでした。だから私はギャトウィックから先の移動についても不安を抱えたままでした。電話さえ壊れていなければと思いました。
 
災いは往々にして福と転じるもの。
新しく買ったフライトは雪で遅延していたので、トゥールーズの空港での待ち時間が随分とありましたから、兄とコーヒーを飲みながらゆっくりと話をしました。(そもそも雪でフライトが遅れていなければ、トゥールーズにもう一日滞在することになりかねなかったのですが。)
兄とは滞在中はほぼいつも一緒にいましたが、きちんと時間を取って話す時間はなかったのです。
私たちはたくさんのことを話しました。お互いにとって、とても良かったと思います。
いよいよ私が発つ時になって、兄が私に、以前に会った時よりも人間的に成長したな、と言ってくれました。
とても嬉しい言葉でした。
自分でも、ロンドンでフリーランスで働いていた頃の写真を見ると、笑っていてもやはりどこか気を張っている顔をしているなと思います。
今の私の方がずっと好きです。
お兄ちゃん、ありがとう。大好きです。すぐにまた会いましょう。
 

フランスへの旅は、私にたくさんのことを気づかせてくれました。
このタイミングで行くことができて、本当に良かったです。
兄や兄の友人たちとの楽しかったエピソード一つ一つ、全てを書くことは出来ませんでしたが、本当に皆、ありがとう。
皆、大好きです。

空に浮かぶ船
A ship in the sky

It's been a while since I said I will write about my trip to Europe...

At the end of March, I was in Toulouse.
My brother has been studying at Léda Toulouse (L'Ecole professionnelle De l'Acteur) and he was going to have his graduation show there.
My missions were to see his show as a representative of the family and also to examine his body as a Plates trainer. He has been having a very bad lower back pain for years.

The last time we met was in October, 2008. I remember he came over to London to see me as a rehab just after he had an operation. So it's been around 5 years since I saw my brother last.
I was nervous about how much I could do for him as I was a novice as a Pilates trainer, however, my teacher, master Ichise encouraged me a lot. So I spent my flight time and waiting time for my connecting flight for making notes, thinking about a training menu, going over the last lesson of personal training and anatomy.

When I finally arrived in Toulouse, it was nearly midnight and very dark.
My brother and his roommate Nadim came to pick me up at the airport.
They were having a special sign for me. It was the same sign I made for my brother to welcome him at Heathrow Airport in 2008.
At their place, we had a glass of red wine and a bit of cheese and chocolate.

They turned their "library" into my bed room.
Though it was after midnight, I had a very first session of Pilates with my brother.
After that, I went to bed straight away. I travelled nearly 24 hours.






トゥールーズはとっても美しい
beautiful Toulouse

Next morning was Monday. They had an empty fridge after the busy weekend. So we all went out to get some breakfast and also to do food shopping.
We had petit déjeuner at a local boulanger. I always think breads are so much nicer in Europe, especially in France than the ones we have in Japan . Even a whole wheat roll and cheese I had on KLM air plane were very good.  I enjoyed my coffee, pain au chocolat, a baguette with apricot jam.





One of the strangest things when you travel in foreign countries is that even some cheap plastic knife and fork look nicer. Or is that a quite Japanese way of thinking?
Food shopping was a great fun. I love foreign country's supermarkets. I can be there forever looking at graphics of the labels of unfamiliar products, curious foods, different customs through the way of displaying and serving products.
I bought some cereals, nuts and dried fruits, and a pack of fig rolls. Fig roll is my absolute favourite and I can't buy them in Japan. The best fig roll I believe is Fignewton which you can buy in US. I also bought a tube toothpaste and hand cream (of my favourite French brand Le Petit Marseillais).

 
イースターの直前でした
It was just before Easter

In the afternoon, I visited Léda with my brother. Léda is a small school. I met many of my brother's friends and teachers at the foyer where everyone was chilling out between lessons. Everyone was nice and friendly to me. It was a real shame that I couldn't speak French at all.
Some of them could speak a bit of English and we spoke slowly to each other.

 
レダの入り口
At the entrance of Léda

In the evening, Nadim and I went to see the show.
It was the first time to see my brother's stage on live. I've seen his first year show on video once.
I don't think I am a total amateur about acting. I used to work at an acting school in London as a costume designer and maker, so I've seen rehearsals and shows enough to understand what makes the actors believable as a character on stage. I love plays and films, but through my work, my point of view is always as a creator, not one of the audiences. Most of the time, I can kind of see if the actor is good or not so good if I see them when they are off stage. My brother wanted me to criticise him and give him a constructive advice.

So I didn't watch my brother in a favourable light thought I wasn't going to anyways.
I watched his an actor.
My honest opinion is that he was calmly reading the timings and audience's expectations. Doing the best he could for the stage of that night with his co-stars.
I couldn't understand French at all, but I could see the characters, their relationships and power balances, and what's going on in general. Maybe I could see more because of the text became signs to me, not understandable sentences. I was enjoying feeling actors' flows of aura, their chemistry, tempos, and reactions of the audiences.
After each night's performance, I spoke with my brother's friends and teachers.
Everyone was so kind to me even we needed to speak via my brother's translations.
It was fun discussing about what worked today and what to improve for tomorrow with my brother.

One of the amazing things was that a lot of people I met at the performance, asked me about Tsunami and Fukushima.
It was grateful to know many people outside of Japan have been caring about us and thinking about us. So, on be half of all Japanese people, thank you all.


My brother and I worked on Pilates sessions whenever he had time.
Sometime we did an hour session. Other time fifteen minutes.
I focused on training mainly gluteus mediuses, iliopsoas, and obliques and so on to mobilise his legs while stabilising his pelves. We also did breathing exercises. It helped him a lot and he could feel the differences after every session. I was so happy to hear him saying he felt better.
One of the good things was that he didn't feel tired the day after the third performance. Most of the other casts were talking about they were getting tired from the performances, but he was fine.

I suggested to record their last performance and I suddenly became a camera operator to film it.
It was a great fun, but unfortunately, the battery ran out at the middle of the performance and I used my camera to continue filming. However, I've never used the recording mode of my camera before, and somehow the sound was not synchronised with the picture. I hope I can fix that soon.


ショコラ・ショーを楽しむ私
Me, enjoying chocolate chaud

My brother and I decided to spend relaxed afternoon before the final performance.
He said there is a café he wanted to take me. We met one of the co-stars Camille at the bus stop. When my brother said to her that we were going to the café near the city hall, she said she wanted to go, so we all went there. I was happy to be able to go with her.
On the way to there, my brother and I were very hungry as we hadn't had lunch, so we bought hot panini at a shop. Camille bought some pastries. We all walked to a park behind the city hall and sat on one of the benches. There was a street jazz band playing some happy tunes and people were standing around them. It was a fine day and I felt so nice as it was not too cold or too hot. I cherished the moment so much.
The café was grand with Bucchus engravings on the wall, paintings on a ceiling and some chandeliers
 were shining. I ordered a cup of chocolat chaud. It's one of my treats in Europe. In Japan, we never have a nice cup of hot chocolate as thick as the one in Europe. Two years ago, I had a cup of very thick dark chocolate with rock salt in Praha. It was served with spoon to scoop it.
The chocolate chaud which came with a delicious spoon shaped cookie was really nice and I had to ask my brother to take my picture enjoying it deeply.

『骨の家』 を演じる兄
My brother in Le Meson d'Os

The last performance was very steady and every one had their best. I was focusing on filming, so I couldn't really enjoy the atmosphere. The audience was very cool, but I thought the casts handled that well.
One of the casts had a little party after the final performance.
We stayed at his house till dawn.
That day was the day I was leaving Toulouse. Before my air plane, my brother and I cooked spaghetti with vegetable and tomato and salad.
Nadim came home for lunch so we three all had good lunch together.
After Nadim went back to work, I had one last Pilates session with my brother and headed to the airport.


While we were waiting for the airport express and the bus stop. I suddenly had a feeling of I must had checked a bit earlier than now.
It was very strange that both of my brother and I were on air plane so many times, but only this time, we checked in on-line and we completely forgot to think about the time I check in my suitcase 40 minutes before on board.
So we got to the airport and rushed to the check in counter if they could take my suitcase, but the monsieur at the counter said Non! 
I couldn't fly without my suitcase so I had to see my flight off and book another one to go to London. 
Our worry was that if I could be in London before the day is over.
Luckily, one flight was delaying due to a snowy weather, so I could get hole on that flight.
I had some problems. The new flight was going to Gatwic, not Heathrow, so I had to let my friend who was going to pick me up at Heatrow know about my flight change. My mobile phone was not working so I couldn't get in touch with my friend. Only on-line so if she didn't see my message on facebook, she would miss me and so I would miss her. 
So after we confirmed the new flight, I sent a message to my friend and hoped her to see it before she left home. Miraculously, she was on-line and replied me back while I was still on-line. She said she could find me at Victoria station so still I had to do was to go to Victoria as soon as I got to London.
In fact, she thought about a better plan and decided to pick me up at the Gatwick but I didn't see her second message, so I was still nervous about the journey after Gatwick. I wished if only my mobile was working.

A misfortune usually turns into a blessing.
I had long waiting time  due to the delay of my new flight at the Toulouse airport, so I had a proper chat with my brother over coffee. (Tought I had to stay one more day in Toulouse if the flight wasn't delayed for a start.)
Thought I was with him most of the time while I was in Toulouse, we never had a proper time to sit down quietly and talk. 
So we talked about many things and that helped both of us.
When I was finally leaving, he said to me that I grew up as a human since we saw each other last.
That was a great complement to me.
Even I myself feel that my nerves were strained all the time while I was working freelance in London. My faces in picture of that time were a bit edgy even when I was smiling.
I like me better these days.
Merci my brother. I love you and see you soon.


兄の為に、何度も作った野菜と豆のスープ
vege and lentil soup I made many times for my brother
My France trip made me realise many things.I'm so glad that I could go at this timing.

I couldn't write about every single event I experienced with my brother and his lovely friends, but thank you so much everyone.
I love you all.