春陽気のトゥールーズから、雪のロンドンへ…。
さて、何とか新しいフライトを抑えられた私は、兄との別れを惜しみながら搭乗ゲートを通過。
とりあえず遅れているフライトが到着するのを待ちました。
幸いに、書き留めたいことはたくさんあったので、うんざりした顔で待つ乗客たちの集まる一角でソファーを見つけ、ひたすらにノートを書きました。
それほど待たずに飛行機が到着。早速搭乗の列に参加します。
目の前に並んでいる紳士が、白髪の美しい女性に話しかけています。イギリスのアクセントが耳に飛び込んできます。懐かしく思っていると、どうやら彼らは今ここで会ったばかりのよう。待ち時間が長すぎて退屈なので、男性の方が話しかけた様子。しかもちょっとおもしろい。
思わず笑ってしまい、いつの間にか3人で話し始めました。
搭乗の列を作ってからもかなり待ったので、楽しい待ち時間となりました。
話はゴルフに始まり、80年代のロック、ボウイの展覧会、ブライトン、ピラティス…。
ヨーロッパに来て面白いなと思ったのは、フランス(トゥールーズ)でピラティスのことを話題にすると、『何それ?』となり、説明して『あぁ、聞いたことある。』となるのですが、イギリスではピラティスというとそのまま会話が弾んでいく。やはり、お国柄でしょうか。日本でのピラティスの認識はまだまだ低いようです。エクササイズとして認識されないことや、そうであっても『ヨガみたいなやつ?』って聞かれることがほとんどです。がっかり…。
話題を戻し、やっとこ乗り込んだロンドン・ギャトウィック行きの小さな飛行機。
機内誌にボウイの写真を撮った鋤田さんのインタビューと共に有名なアルバム『Heroes』の写真があったので、頂いてきました。
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ブラン・マフィンとカモミール・ティー
Bran Muffin and Camomile Tea |
友人から、『ギャトウィックに迎えに行く』とのメッセージを受け取ったのを見れなかった私は、空港に着くや早足で入国審査へ向かいます。
広い入国審査のフロアは、人でごった返していました。時間が掛かりそうと、一瞬不安になったものの、ごった返しているのはEUパスポートのゲートのみ。Non-EUの方はがらがらに空いていました。
ちょっと前まではNon-EUの方が混むことが多かったのに、とにかくラッキーと、審査へ向かいました。しかし、以前イギリスに住んでいた頃のビザを見た審査官2人に、色々と事細かに質問をされました。基本的な質問だったのですが、私の受け答えはとぼけていて、
『この国の前はどこから来たの?』
『えっと、トゥールーズ、フランスです。…え?経由空港?アムスです。すみません…。』
(トゥールーズへの入国審査は経由したアムステルダムで終わっているので、パスポートのハンコはアムステルダムになっているのを忘れていた私…。)
『どこに泊まるの?』
『友人の家です。』
『入国カードに書いてないけど?』
『ええ、そうなんです。アドレス帳をスーツケースの方に入れてしまっていて…』
『他に書ける住所はないの?』
『えっと、ちょっと思いつかないんですけど、友人の電話番号じゃ駄目ですか?』
『・・・いいでしょう。その人のフルネームと番号をここに書いて。』
『すいません・・・。』
『いくら持って来たの?』
『え?そんなの覚えてない。え~と確か70ユーロと60ポンドくらい。あとはクレジットカード。』
『・・・』
なんとかその場を切り抜けて、無事に入国。荷物を回収しに行きました。
しばらく待ってから出てきたスーツケースを引っ張って、いざヴィクトリア駅に向かわなくては、とゲートを出た瞬間、『ダーリン!』と呼ぶ懐かしい声。
振り向いた先に、見慣れた顔がありました。
嬉しすぎて涙が出ました。
『事前にあなたの髪がピンクって写真で見ていなかったら、見逃すところだったわ。会えて良かった!』とアリス。
本当に、私も会えて嬉しかったです。
フライトが遅れて、夜中近くになっていたのに、わざわざ迎えに来てくれた彼女の優しさ。
懐かしいイギリスのアクセント。全てが私をホッとさせてくれました。
夜の街をひたすら走りながら、色々と情報を埋め合い、彼女の家に着いたのは真夜中過ぎでした。
考えてみれば、お昼を食べてから何も口にしていなかった私に、雑穀のトーストを焼いて、ピーナツ・バターをたっぷり塗ったものを2枚、それからお茶を入れてくれました。
なつかしい、イギリスのお茶。トーストの載ったお皿。居間のソファでやっとひと心地つきました。
その夜はすぐにベッドにもぐりこみ、翌朝は別の友人とも合わせて3人で会う予定でした。
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アリスの部屋にて
Alice's room |
アリスの部屋は、カラフルなスケルトンの紙飾りや、マーメイドや水兵さんのポスター、彼女が刺繍したクッション、彼女が描いた絵や、私からの葉書などが飾られていて、まるで物語の中にいるようです。夢のようなベッドで目覚めてみると、ロンドンは冬が戻って来ていて、とにかく寒かったです。
窓の外は、雪。吐く息も白い。
冬の用意なんて何も持ってきていなかった私は、とにかく何枚も着込んでレザーを羽織りました。
シャワーを浴びてから支度を始めたら、アリスが『お茶を飲む?』と訊いてくれました。
この辺は、やっぱりイギリス人だなと思いました。フランスにいたから余計にそう思います。
兄のアパートで私がやたらとお茶を飲んでいるのをナディームが見て、『お茶好きなんだね。』と言ったのを思い出しました。
雪のちらつく中、2人で駅に向かいます。
まず向かったのはトッテナム・コート・ロード。
友人のカットと待ち合わせて朝ごはんを食べる予定でした。
週末なのに、なぜか町には人がほとんどいません。寒さのせいでしょうか。アリスと2人、なんなのこれは?と不可思議に思いながらも目指すお店に着いてみれば、なんと雪の中長蛇の列。
ウソでしょ~!?と笑いが込み上げてきました。町の人全てがこの店の朝ごはんに並んでいるかのように、そこだけ人だかり。あとは閑散とした路地に雪が降るばかりです。
カットに電話して、プランを変えることに。お店を離れてハイストリートの方まで歩き、彼女を待ちました。
すぐに見慣れた顔がやってきて、3人で再会を喜び、近くのカフェに入りました。
寒かったので私はあたたかいポリッジとコーヒーを注文しました。
ポリッジはたっぷりで、蜂蜜とラズベリーのジャムが付いてきました。
久しぶりに会ったので、3人ともとにかく笑顔。
カットはわざわざ仕事で滞在中のカーディフから週末だけロンドンに来てくれました。
私がフライトを逃さなければ、前日にディナーを一緒に食べる予定だったので、悔やまれますが、そのおかげで兄とゆっくり話せたので、何が良かったのかは分かりません。
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カットとアリス
Kat and Alice |
アリスもカットも、私が何をしたいのかをしきりに訊いてくれました。
とにかく私は2人に会えたことが嬉しかったので、あまり移動に時間を掛けたくないからどこか近くにしようと提案。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーでマン・レイの展覧会をやっているからと、そこに行くことになりました。
展覧会は思ったほど大きくなく、しかし時系列にマン・レイの作品が展示されており、見やすく作品数も多かったように思います。
写真をゆっくり見て回りながら、自分で現像をすることの面白さを再発見しました。
アナログでの写真の撮り方、現像のしかたを、きちんと父に教えてもらいたいなぁと思いました。
ミュージアム・ショップで、ポストカードを数枚、お土産に買いました。
その後常設の展示を少し見て回りましたが、すぐに移動することに。
4人目の友人との待ち合わせに便利なように、そしてカットが家に帰りやすいように、モーニントン・クレッセントに移動することにしました。
カムデン・タウンの隣の駅ですが、カフェやレストランが多いエリアです。
そこで遅めのランチになりました。
ブルース・キッチンというパブ・ダイナーに入ることに。満席でしたが、バーで飲んで待つことにしました。ポップコーン・マシンがあって、楽しく眺めていると、カウンターから『少しどう?』とのお勧め。これからお昼を食べるから断ると、『タダだから、少し食べなよ。』と、グラスにはじけたてのアツアツのポップ・コーンを盛ってくれました。香ばしくて美味しかったです。
ポップ・コーンを齧っていると、すぐに席に案内されました。
窓際の、広い革張りのソファーのテーブル。アメリカのダイナーのような作りですが、お店全体がどっしりとした木で作られているので、とても居心地がよいのです。
ふと隣のテーブルを見ると、アメリカン・サイズなパンケーキが並んでいました。
お料理のボリュームもがっつり。
菜食主義者のアリスはベジタリアン・ブレックファストのプレート、カットはパンケーキのハイ・スタック(高く積み上げたもの)をブルーベリー・ジャムとメープル・シロップで。私は久しぶりにビーン・バーガーを注文しました。日本ではベジー用のビーン・バーガーを見かけたことが無いので、これもチョコレートと同様にヨーロッパでの楽しみの一つです。
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ベジタリアン・ブレックファスト
Vegie Breakfast |
しばらくするとお料理が運ばれて来ました。
ベジタリアン・ブレックファストは、コーン・ミールを野菜と混ぜて焼いたようなカリカリのパン・ケーキとサラダでした。一口もらいましたが、とっても美味しかったです。
カットのパンケーキは、やはりとても大きく、一枚が赤ちゃんの顔のサイズくらいはありました。メープル・シロップがなかなか出てこなくて、何度もお店の人に頼みましたがキッチン側のミスだったようで、彼女が半分以上食べ終えてからやっとシロップが運ばれて来ました。
バーガーはやはり大きく、細切りにした野菜のコールスローと太めのチップス(フライド・ポテト)も添えられていました。久しぶりのビーン・バーガーはやはり美味しかったです。
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パンケーキ!
Pancakes! |
食事を終えるとカットがもう帰らなくてはいけない時間になっていました。
あまりたくさん会えなかったので残念でしたが、わざわざロンドンまで来てくれたことがとても嬉しかったです。またすぐに会えることを願って、彼女を入口まで見送りました。
そのあとアリスと少しゆっくりしてからカムデン・マーケットへ。
マーケットはいつ来ても派手で、ごちゃごちゃしていて、変わらない様子でした。
私は柄もののタイツを買いたかったので、何軒か見て回って、2足買いました。
とにかく寒い日で、二人で凍えながら、モロッコのカフェに入り、ミント・ティーを飲みました。
友人のアレックスとは夜にパブで待ち合わせの予定でしたから、少し時間がありましたが、寒かったので早めにパブに移動することにしました。
おもてに黒いハートの看板が出ているだけのパブ、ブラック・ハートはカムデンの駅から少し離れた裏道にあります。
パブに入るなり、ビールの匂いと煙草の匂い。ああ、懐かしいなぁ、とその素敵とも言い難い酒飲みたちの溜まり場の匂いに、一気に包まれました。
バーでサイダーを注文して、お店の隅のテーブルに陣取ります。
店内は暗く、もう夜みたいでした。
2杯目か3杯目のサイダーがテーブルに載る頃に、アレックスがやって来ました。
セルビア人の彼女はロンドンを離れましたが、偶然私と時期を同じくして撮影の仕事でロンドンを訪れていました。
すぐに乾杯になり、たくさん話しました。
いつ会っても、すぐに昨日別れたかのように話せる友人たちがいることを、私はとても嬉しく思うし、誇りに思います。
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衣裳部屋の壁に私のカードを飾ってくれています。
They made a wall of my cards at the wardrobe. |
翌日は、アリスが仕事だったので、私はかつての職場を訪れる予定にしていました。
アリスは、その日が仕事の初日で、プライベートでも色々と忙しく、私を泊めるなんて余裕はないはずなのに、こうして私のことを気に掛けて、泊めてくれていました。
彼女の優しさには涙が出ます。
ロンドンでフリーランスの衣裳デザインナー、衣裳メイカーとして働いていたころ、たくさんお世話になったのが、アーツ・エデュケイショナル・スクール・オブ・ロンドン。通称アーツ・エドです。
アール・エドはミュージカル『キャッツ』のクリエイターとして有名な、アンドリュー・ロイド・ウェバーが創設した演劇学校です。私はそこの衣裳部で学生時代にワーク・エクスペリエンスをやらせてもらい、そのご縁で卒業後にアシスタントとして最初の仕事をもらいました。
その後は、フリーランスながらすっかりそこのスタッフのように通い詰めるようになりました。勿論、その間アーツ・エド以外の仕事もたくさんしました。特にアーツ・エドは学校なので、休暇になると仕事が無いので、舞台以外にも映画やMVの撮影など、色々な分野の衣裳やスタイリングをやりました。しかしそういった経験も、アーツ・エドの衣裳部のボスであるオーサと、アシスタントのマリアンがいなければ、そもそも成り立たなかったのではないかと言えるほどに、彼らの後押しが私の自信の基盤になり、原動力となりました。
オーサの誕生日が近かったので、まずはノッティング・ヒルへ行ってケーキを買うことにしました。
ハミング・バード・カップケーキと言えば、ロンドン以外でも有名なのではないでしょうか。マリアンが良く何かお祝い事があるとここのケーキを買ってきてくれていたので、ハミング・バードのケーキを買うことに。胡桃が入ったキャロット・ケーキと、曜日を限定して作る真っ赤なレッド・ベルベット・ケーキが私のお気に入りです。
少し時間が早かったので、近くのパン屋さんでブラン・マフィンとカモミール・ティーを飲みました。
小麦にこだわったパン屋さんで、マフィンはとても味わい深かったです。
歩きなれた道を下り、もう覚えてしまっているE3のバスにのり、ターナム・グリーンの駅まで乗りました。
アーツ・エドは改装中で、建物全体が足場とシートに覆われていました。
受付を慣れた感じで通り過ぎ、最初のドアを左に入ると、懐かしい衣裳部のドアが見えました。
ドアには硝子の窓が付いていました。前はなかったのですが、そのおかげでノックの主をマリアンがいち早く見つけ、オーサの歓声とともにドアががばりと開いて、オーサのハグで私は宙に持ち上げられました。このちいさなスウェーデン人女性の、どこにそんな力があるのやら、と思いますが、再会が嬉しくて、私もカップ・ケーキの袋をかろうじて平行に保ちながらオーサを抱きしめました。
アーツ・エドに通う子供たちのダンス・ショー公演が終わったばかりだと言う衣裳部屋は、たくさんの洗いもので溢れていました。フリーのアシスタントの女性が一人、テキパキと立ち働いていました。
すぐにお茶を入れてケーキを食べながら、懐かしい顔ぶれがそろいました。
オーサの誕生日プレゼントはムーミン谷のメンバーがカラフルなステンシルで描かれたスープ・マグ。オーサはミィにそっくりで、以前ミィのマグをプレゼントしたこともあります。
衣裳部屋の他には学長のジェーンや映画部のジョイ、プロダクション部のジョージとダイ、大道具のポールなど、懐かしい人たちにあいさつができ、変わらずに笑顔で迎えてくれる人たちに心から感謝をしました。
夜はイタリア料理のお店で2人がごちそうしてくれました。
私は枝豆とアスパラガスのリゾットを頼みましたが、絶品でした。
そのあとは、スパニッシュ・バーへ移動。いつになく混んでいてい、テーブルには付けませんでしたが、バーの隅の方で立ってのみました。
アレックスが撮影後に立ち寄ってくれて、また嬉しく飲むことができました。
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美人のマリアンと、私
Beatuful Marianne and Me |
翌日はロンドンで最後の一日となりました。
以前シェイクスピアの『間違いの喜劇』の舞台で仕事をした、監督のジェイミーと待ち合わせてランチの予定でした。
アーツ・エドでもクラスを持つジェイミーと、ターナム・グリーンで待ち合わせましたが、まずは衣裳部へ向かいました。
行ってみてびっくりしたのは、廊下も壁も水浸しなのです。改装中に排水管を折ってしまったようで、バケツやら布やらがあちこちに置かれていました。
マリアンは一人で衣裳部屋で仕事をしていました。オーサは熱を出して休んでいるとのこと。イースターが近くなって仕事がひと段落すると、いつもの疲れが出て熱を出してしまうようで、気の毒なことでしたが、会えなくて残念でした。
ジェイミーとの再会は嬉しく、ランチに入ったブラッサリーで、私はまたもやリゾットを食べながら(きっとお米が恋しかったんでしょうね。)、イギリスを去ってからのことを色々と話しました。ジェイミーは面白い人で、彼と話すと笑ってばかりいます。
私がジェイミーと会いたかったのは、もちろん単純に会いたかったからということもあるのですが、実は私がヨーロッパに来る直前に、『間違いの喜劇』のキャストだった俳優が不慮の事故で他界してしまったこともありました。2人で彼のことを話しました。
若く才能溢れる、天使のような人でした。いつでも目の覚めるようなズボンを履いて、到底ダサいジャケットをこれ以上ないくらいにかっこよく着こなした彼。
トミー、あなたのことは皆忘れないし、語り継ぐ。笑顔をありがとう。
***
夕刻、マリアンとお寿司を食べに行きました。
彼女が帰り道に乗換をするヴィクトリア駅にある回転SUSHI屋さんは、ロンドンのデパート、セルフリッジズに入っている店舗に行ったり、オックスフォード・サーカスの店舗に行ったりした思い出の場所です。日本食が好きなマリアンには、いつか本物のお寿司を御馳走したいなと思っていますが、なかなか叶いません。
寒かったので、マリアンは熱かん。私はお代わり自由のみそ汁を何度も頼みながら、お寿司を食べました。
夜はアリスとそのまま待ち合わせていたので、マリアンを見送ってから少し本屋さんなど見てまあわりました。
翌朝は早朝にタクシーで迎えに来てもらったので、アリスはベッドで眠ったままでしたが、ちゃんと起きて見送ってくれました。
忙しい週だったのに泊めてくれたこと、あたたかく迎えてくれたこと、本当にありがたかったです。
ロンドンのみんなにまたしばらく会えないのだと思うと寂しいのですが、また会えるよって、思うと元気がでました。
とは言うものの、やはりおセンチな気分になってしまって泣きそうだったので、ちょうどタクシーの中のラジオから大好きな曲が流れてきたのを、運転手さんにボリュームを上げてもらって、少し小声で歌いながら、朝焼けのロンドンを最後に眺めていました。
偶然ロンドンに来ていたのに会えなかった、ヤニー。次はコペンハーゲンで会おうね。
シャーディー、また会える日を楽しみにしてるよ。
アリス、ベッドでお茶を飲みながら『アドベンチャー・タイム』見たあの時間はとっても楽しかった。また是非一緒に見ようね。
みんな、本当にありがとう。また会う日までどうか元気で。
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アムステルダム空港にて
At Amsterdam |
From nice and warm Spring Toulouse to snowy
London...
So, somehow after I got hold on my new
flight and I passed the boarding gate though I was reluctant to leave my
brother and Toulouse.
Luckily, I had too many things to write
down on my notebook, so as soon as I found a sofa at the corner of the room
where is filled with tired faces passengers, I started writing.
It wasn’t so long before the air plane
arrived to pick us up. I joined the queue to be on board.
A gentleman who was queuing in front of me was talking to a beautiful white
hair lady. British accent streamed in my ears. As I was feeling sweet about it,
I found out that they were not acquaintances at all. They just met there. The
gentleman couldn’t get more bored of waiting and started to chat with the lady
queuing next to him. And their conversation was a bit funny.
I couldn’t help stating to laugh and naturally I joined them.
We waited more even after we made a queue, so
it was very amusing.
Our chat started from glof, 80’s rock,
Bowie exhibition, Brighton, and Pilates etc...
Since I came to Europe, I found it
interesting that when I talk about Pilates in France (Toulouse), most of the people
said “What’s that?”, and after my explanation they say “Oh, yeah, I heard about
that.” But in UK, they know Pilates and we just carry on our conversation. I
guess it’s just different cultural background. Then in Japan, Pilates isn’t
still known well yet. Most of the time people don’t think it as an exercise or
even they do think it is, they say “It’s kinda like Yoga, right?” and disappoint
me.
To return to our main topic...I was on a
small air plane to London Gatwick Airport.
There was an interview article of Mr.Sukita who took a famous Bowie photo for
album Heroes on an in-flight
magazine so I slipped it in my bag.
Since I
couldn’t see the message from my friend about she will come and pick me up at
the Gatwick instead of meeting at Victoria station, I harried to passport control
as soon as I got to London.
A gigantic
floor was packed with people and I thought that it will take ages to get
through and worried for a while, but it was only EU passport gates which were having
a state of chaos. Non-EU passport gates had hardly anyone. It used to be other
wasy round, but I felt lucky anyways and walked to one of the gates. However I
used to live in UK, so as soon as the two inspectors (or whatever they are
called) saw my previous residence visa and etc, they started to ask me a lot of
questions. They were only some basic questions, but my answers were stupid...
“Where did
you come from?”
“Well,
Toulouse. France. ...oh, a transfer airport? Amsterdam, sorry sir.”
(I
completely forgot that the passport control was done at Amsterdam instead of
Toulouse, so there were Amsterdam stamps on my passport.)
“Where are
you going to stay?”
“My friend’s
place.”
“You haven’t
written down your friend’s address.”
“Yes, I
know. I packed my address book in my suitcase. so...”
“Do you
have any other address you can write down for now?”
“Well...I
don’t think I do, but would her phone number be alright?”
“... all
right then. Write your friend’s full name and phone number here.”
“I’m
sorry....”
“How much
do you have?”
“What?
I...don’t remember. I think I brought about 70 Euros and 60 pounds in cash and
I have a credit card.”
“...”
Somehow I found
my way out and got a stamp. Hurried to a baggage claim.
Waited for
a while and I found my suitcase fine, and I rushed out the arriving gate
thinking about Victoria station. Then the next second I heard a familiar voice
calling me “DARLING!!”
I looked
back and found my dear friend Alice’s face.
I was too
happy to cry a bit.
“I couldn’t
have recognised you if I hadn’t seen your pink hair photo!” she said.
I was so
happy to see her.
It was nearly midnight since my flight was delayed, but it was hugely kind of
Alice to come to pick me up.
Sweet
British accent. Everything made me feel at home.
We drove
through night town, we caught up a lot and it was passed midnight when we
arrived at her place.
I realised
that I hadn’t had any thing since lunch. Alice made two pieces of toast of whole
grain bread with chunky peanut butter and a mug of tea.
Good old
English tea. A plate of peanut better toasts. I finally had some rest on a
couch in a living room.
That night,
we went to bed straight away. The next morning we were going to meet up with
other friend of ours.
ビーン・バーガー |
My bean burger |
Alice’s
room is decorated with colourful paper skeleton decorations, posters of sailors
and mermaids, cushions she did embroideries on, her drawings, and some of my
postcards. I felt like I was in a story to be told. I woke up on her magic bed
and found that winter was back in London and I was cold.
Outside of
the window was snowing. My breath was white in the air.
While I was
getting ready after I took a shower, Alice asked me if I wanted some tea.
That made
me think that she was British. Especially after I stayed in France.
I
remembered that Nadim said I loved tea whenever he found me making some tea in
his apartment.
We walked
to a station in snow.
We headed
to Tottenham Court Road.
We were
planning breakfast with our friend Kat there.
I wonder of
it was because of the snow, but there were only few people in the street
thought it was a weekend. Alice and I were puzzling about the situation, but
when we got to the place we were going to have our breakfast, there was a long
queue outside. That’s absolutely impossible! We couldn’t help burst out
laughing. It was like a whole people in town were queuing to the shop. Anywhere
else was just snow in lonly pavements. Quietly.
We called
Kat and told her we must change our plan. We walked to a high street and waited
her.
Soon we saw
lovely face and happily reunited, then we went in a nearby café.
It was cold
so I ordered some hot porridge and coffee.
Porridge
was plenty and it came with honey and raspberry jam.
It was a
long time ago since we saw last, so we couldn’t wipe smiles off our faces.
Kat was
having a shooting in Cardiff, but she came to meet us for a weekend.
If I hadn’t
had missed my flight, we could had dinner together a night before, but I could
have a good long talk with my brother because of my mistake, so I don’t know
what was the best thing anymore.
Both Alice
and Kat asked me what I wanted to do, but I was just happy to see them so I
didn’t want to spend time on travelling. So somewhere near, I suggested.
There was a
May Ray exhibition at the National Portrait Gallery and that was it.
The
exhibition was not as big as I thought it would be, but it was showing his
works in a historical order and it was easy to see. And I thought there were a
lot of pieces.
I
re-discovered how interesting to self-develop photos and though about asking my
dad to teach me properly.
I bought some
post cards at the museum shop.
We looked
around some collections, but soon we made a move.
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食べる気まんまん
I was ready to attack! |
We headed
to Mornington Crescent to make it easy for us to meet up with our other friend Alecks
and for Kat to go home.
It was a
station next to Camden Town, and there are many cafés and restaurants around this area.
We had late
lunch there.
We went in
to a pub/diner Blues Kitchen. The
place was packed, but we waited at the bar. There was a popcorn machine and as
I was happily watching it making popcorns, I was offered some from behind a
counter. I said no as I was about to eat lunch, but a bartender filled a glass
with freshly made popcorns saying had it, it’s free anyways. It was very crisp
and tasty.
Not long
after we were nibbling some popcorn, we were taken to our seat.
We were
sitting on a wide leather sofa by the window. The place as like an American
diner and the whole place was made with chunky wood and I felt comfortable
there.
I took a
casual glance on a table next to us, there were some American size pancakes.
Food looked substantial too.
Alice, as
she was a vegetarian, ordered a plate of Vegetarian Breakfast, Kat was having “high
stuck” pancakes with blueberry jam and maple syrups. I ordered a bean burger as
I had never seen vegetarian bean burger in Japan. This is one of my treats when
I came to Europe which was same as chocolate drink.
Soon our food
was served.
Vegetarian
Breakfast was crispy pancake-ish thing looked like a mixture of corn meal and
vegetables and some salad on the side. I had a piece and it was delicious.
Kat’s
pancake was as huge as we expected. Each cake had a size of a baby’s face. We
had one problem that by their kitchen’s mistake, Kat couldn’t have her maple
syrup until she had half of her pancakes.
Bean burger
was huge and it came with healthy coleslaw salad and some chunky chips. I hadn’t
had any bean burger for a long time and it was very delicious.
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モロッコ風カフェ
Morrocan place |
By the time
we finished our lunch, it was time for Kat to head home.
It was such
as shame that we couldn’t spend more time together, but I was so happy to see
her who came all the way to London from Cardiff. I saw her off at the door as I
was wishing to see her very soon.
Alice and I
spent some time there and we went to Camden market.
The market
was as always loud and messy and nothing has changed a bit.
I wanted to
buy some patterned tights so I shopped around few places and bought two pairs.
It was very
cold day and we were shivering. We had some mint tea at a Moroccan café in the
market.
We were
going to see Alecks at a pub and we had quite a while, but we were too cold to
be outside so we headed to the pub ealier.
Pub Black Heart is at the back street a bit
away from Camden Town station and it has only a black heart shape sign was hanged
outside.
As soon as
I stepped in the pub, I smelled beer and smoke. I let myself dip in the unpleasant
odour of the place of drinkers for a while.
We found a
seat at the corner after we ordered two pints of cider.
Inside of
the pub was dark and I felt it’s already late.
By the time
our second or third cider was on the table, Alecks appeared.
Alecks, who
is a Serbian girl was also visiting London for shooting. What a coincidence.
We made a
toast and we started to talk a lot.
I’m so happy
and feel proud about I have friends who I can talk with just like we met
yesterday even after many years.
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モロッコのミント・ティー
Moroccan Mint Tea |
The next
day, Alice had work to go and I was planning to visit my old work place.
It was a
first day of a new job for Alice and she had lots of things to do in her life
too. So she was way too busy to let someone stay at hers, but she did.
I almost
feel like crying just to think about how sweet she was.
When I was
working as a freelance costume designer and maker, Arts Educational Schools
London (Arts Ed) helped me out a lot.
Arts Ed is an
acting school founded by Andrew Lloyd Webber show is famous for a creator of a
musical CATS. I did a work experience
at its wardrobe department while I was at the art university. It was the reason
that I had my first job after graduation.
After that
I worked as a freelance but almost like a full-time worker. Of course I did
many jobs outside of Arts Ed especially when the school went into holidays.
While the school was on holiday, I did not only but stage jobs but also film,
MV, and various type works as a costumier and a stylist. Those experiences had
never happened to me if there weren’t Åse who is a head of wardrobe at Arts Ed
and her assistant Marianne for a start. Their encouragement and great help kept
me going.
I stopped
by Notting Hill to get some cakes as it was near Åse’s birthday.
Probably Hummingbird Cupcakes is famous even
outside of London. Marianne used to buy their cakes whenever we had something
to celebrate. I love their carrot cake with walnuts and a crimson colour cake
called red velvet which only baked
one or few days a week.
It was a
bit early so I had a bran muffin and some camomile tea at a bakery near around.
The bakery was specialised in flowers so the muffin was tasty.
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マリアンの描いたピザおじさん
Marianne's pizza monsier |
I walked
down a familiar road and hopped on E3 bus which I remember the number already.
Arts Ed was
having a renovation and the whole building was covered with white sheet and scaffoldings.
I passed
the reception without any fuss and went into the first left door and there was
my sweet wardrobe department door.
The door had
a glass peep window which was not before and Marianne found who knocked on the
door right away. I was welcomed by Åse’s yelling cheer and powerful hug and I
was lifted up in the air. I wonder where that power came from this tiny Swedish
lady, but I was too happy too and hugger her tightly trying not to tip over the
cupcake bag.
Arts Ed
just had their kid’s dance show done so the wardrobe was full of washing piles.
There was a freelance assistant lady with Åse and Marianne and working briskly.
Good old
friends got together and had some tea and cupcakes.
For Åse’s birthday
present, I gave a soup mug of colourful Moomin characters printed on. Åse looks
like little My and I gave her a little My mug before.
I could say
hello to many people such as Arts Ed principal Jane, Joy at the film
department, George and Di at the production, and the carpenter Paul. I felt grateful
for them gave me a very warm welcome.
In the evening,
Åse and Marianne treated me a dinner at an Italian place.
I had a risotto
with edamame and asparagus and that was out of this world.
We went to
a Spanish bar after dinner. The bar was unusually packed and we couldn’T get a
table so we stood at the corner of the pub next to the bar.
Alecks
stopped by after her shoot and we had happy drinks again.
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スパニッシュ・バー
at Spanish Bar |
The next
day was my last day in London.
I was
meeting up with a director Jamie who I worked with on A Comedy or Errors by Shakespeare once.
He has his
lesson at Arts Ed and I was meeting with him at Turnham Green station. I went
to Arts Ed first to drop my stuffs.
I surprised
at the state of the school as it was flooded in corridor and walls. Buckets and
clothes were placed everywhere.
Marianne
was working at the wardrobe all by herself. Åse wasn’t in due to her usual
fever after a big semester. I felt sorry for her and it was shame not to be
able to see her once again.
Meeting
with Jamie was a great joy. We talked a lot about things since I left London at
a brasserie we went in for lunch. I ordered a risotto again I guess I was missing
rice. I do most of the time laughing when I talk with him.
I wanted to
see him just because I wanted to do so, but also I wanted to talk about one of
the actors of A Comedy or Errors who unexpectedly
passed away just before I came to Europe. We talked about him.
He was a talented
young thing like an angel. He always wore astonishingly great pair of trousers and
he could were a very horrible jumper and made it look super cool.
Tommy, we
never forget you and your story will be handed down from generation to
generation. Thank you for your smile.
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ジェイミー!
Jamie! |
***
In the
evening, I went to sushi place with Marianne.
The sushi
branch at Victoria station where Marianne changes her train is our familiar
place. We used to go to the one in Selfridges and the one in Oxford Circus. She
likes Japanese food a lot and I want to treat her with real sushi some day.
It was cold
so she had some hot sake and I had many free charge of miso soup.
Alice was
coming to meet me at Victoria so after I said good-bye to Marianne, I looked
around a book shop and waited Alice.
The taxi
came to pick me up very early in the morning. Alice was still in bed but she
saw me off when I was leaving.
I couldn’t
thank her more for letting me stay at her busiest week and looked after me a
lot.
I felt sad
when I thought about I wouldn’t be able to see my friends in London for a while
again, but then I thought about I would see them again and felt fine.
Well, but I
was feeling sentimental anyways, so when I heard my favourite song on a taxi
radio, I asked the driver to turn the volume up. I was seeing off morning glowing
London as I was quietly singing along with the song.
Jannie, who
was also accidentally in London, I couldn’t see you, but next time in
Copenhagen?
Shadey, I’m
looking forward to seeing you.
Alice, I
enjoyed the time we watched Adventure
Time on your bed with tea. Let’s do that again.
Thank you
so much everyone. Take care till next time.
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ジェイミーと飲んだマンモス・コーヒー
Mammos coffe I had with Jamie |